- HOME
- 一般歯科
こうして改善しよう歯周病(歯槽膿漏)
歯周病ってどんな病気?
高齢になると、歯を失って入れ歯となる方が急に増えます。これは年を取ってから急に歯周病が進むのではなく、若いころからの慢性の(ゆっくりした)炎症が歯の骨を溶かし、噛み合わせの力に耐えきれなくなるのがその年齢である事を表しています。 また、全部の歯牙が同時に進行する事がほとんどなので一度に何本も歯を失います。歯周病は、成人のほとんどの方が罹っているという説があります。
慢性の炎症ですので基本的に自覚症状がありません(ここが恐ろしいところです! )。そして、急性化したときに症状が出ます。このとき初めて異常に気付きます。
その後、薬を飲んだり、膿を出したりすると急性症状が取れ、再び慢性の炎症となります(皆さんはこの時点で元通りになったと思うのですが、実際はゆっくり進行しています)。 口臭と出血は大事な危険サインです。口臭の原因はいろいろありますが、他人に口臭の事を言われた場合、歯周病である事がほとんどです。 健康な歯肉は歯ブラシ・つまようじではほとんど出血しません。
また、歯科医師でも、きちんと検査しないと見落とす可能性があります。
初期の歯周病
細菌により歯の周囲の歯肉が腫れています。
歯の周りには歯周ポケットと呼ばれる溝ができ(2~4ミリ)、歯石がたまりはじめています。 歯を支える骨である歯槽骨の吸収はわずかです。自覚症状としては歯肉からの出血ですが、日常の歯磨きでは出血しない事もあります。つまようじで歯肉を触る事で自分でも調べる事ができ、歯周病になっていると出血します(健康な歯肉ではほとんど出血しません)。
中程度の歯周病
細菌により歯の周囲の歯肉が腫れています。
歯の周りにはポケットと呼ばれる溝ができ(2~4ミリ)、歯石がたまりはじめています。歯を支える骨である歯槽骨の吸収はわずかです。自覚症状としては歯肉からの出血ですが、日常の歯磨きでは出血しない事もあります。自分で調べるには、つまようじで歯肉を触ると出血します。(健康な歯肉ではほとんど出血しません。)
重度の歯周病
歯が伸びたようになり、歯槽骨の吸収が目で見て分かるようになります。
この時期になるまで歯科医院に行かない方がほとんどです。強い口臭とともに、歯肉は腫れと消退を繰り返し、急性症状のときは強い痛みと腫れを伴います。 口臭自体はきちんと処置をすれば、2~3週間でなくなります。 原因は歯周病菌による感染です。風邪と同じような感染症であり、老化ではないのです。
風邪のウイルスが無ければ風邪にならないように、歯周病菌が口の中に無ければ、当然、歯周病にならないわけです。 しかしながら、口の中の常在菌ですので、すっかり無菌にする事はできません。
そこで、数をコントロールするのです。これを「プラーク・コントロール」と言います。 「歯周病の治療」イコール「プラーク・コントロール」と言っても過言ではないでしょう。
PMTC
PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士が機械を使用して行う口腔内の管理を言います。
使う道具は、PMTC専用の前後に2~3回ほど振動するモーターと柔らかいゴム製の赤いチップです。
さらに薬としてフッ素の入ったペーストを使います。 ペーストを歯の間にいれ1本ずつていねいにモーターにてクリーニングを行います。およそ30分にて終わります。 赤ちゃんからお年寄りまで無理なく楽に行えます。今までに経験したことのない爽快感と健康を手に入れられます。
PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士が機械を使用して行う口腔内の管理を言います。
クリーニング専用の機械と薬を用いて、痛みなどのご負担を抑えつつ、あなたのお口を清潔にします。そして、軽い虫歯や歯周病を改善して、お口の不必要な細菌を取り除き、コントロールする方法です。
3MIX法
3MIX法とは
3MIX法とは、新しい治療法です。
今までの治療が外科的(悪い部分を取り除く)であるのに対して、内科的(薬で治療する)な方法です。虫歯の治療は、細菌に感染した部分は削り取る治療が主体でした。 また、神経に感染して痛みが出ると血液の流れが悪くなり、改善が望めないため神経を取る治療が基本です。しかし、虫歯の部分を残さず取るため、削る部分が大きくなります。また、神経を取ると治療が難しくなり時間がかかります。
歯も長い間(数十年単位では)には弱くなります。 どちらも歯質が少なくなり、歯を抜く原因になっていきます。しかしながら、最近は治療や予防も進んできたため歯を削らなくてすむようになってきました。深くて神経が出てしまう場合、今までは神経を取る必要がありました。
3MIX法では虫歯をわざと残して薬で無菌化する事により、歯質と神経を残す事が可能となりました。
虫歯を残さず取ると神経が出てしまいます。
健康な歯質をあまり削らないため麻酔も少なくなり(不要な場合もあります) 治療もシンプルになります(神経の治療は、難しいものです)。 また、今まで難しかった神経の再治療(細菌で汚れている場合)でも、良い結果が期待できます。
注意!
3MIX法は今までの治療に代わるものではなく、すべてこの方法でできるわけではありません。基本は細菌を無くす事です。このためには、今までの治療と新しい治療どちらも重要な方法です。
3MIX法で使用する薬剤
力価比 | 重量比 | 体積比 | |
---|---|---|---|
アスゾール錠250mg | 3 | 3 | 3 |
ミノマイシンカプセル100mg | 3 | 3 | 1 |
シプロキサン錠200mg | 1 | 1 | 1 |
3mixに使用する3つの薬剤は、経口投与または、それぞれ単独で使用した際の作用で承認をされていますが、混ぜた場合の作用に対して薬機法上の承認を得ておらず、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。
よって、歯科医師の裁量と責任において、患者さんの同意の上で使用する事になります。 そのため、保険適用が認められていません。また、保険治療中に薬代を請求する事もできません。
使用している薬剤及び入手先は、下記より購入しています。
-ミノマイシンカプセル100mg・・・ファイザー株式会社
-シプロキサン錠200mg・・・バイエル薬品株式会社
-アスゾール錠250mg・・・富士製薬工業
3mixを用途とする同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
また、よねざわ矯正・歯科医院では、薬代はいただいておりません。
3MIX法を成功させる一番大事なことは新鮮な(力価のある)薬を使用することです。 そのためには、水分、光を避けるため専用容器が必要です。この容器は内部に乾燥剤が入るように2重構造になっています。 さらに、混ぜると不安定になりますので、1日で廃棄することが大事です。
3MIX法の基本的な手順
1.深い虫歯のある状態です。
2.虫歯を少し残して神経が出ないようにします。
3.3MIXを虫歯の面全体に触れるように置きます。
4.薬が漏れないようにセメントで隙間無く(重要!)ふたをします。
5.表面に最終修復物を詰めて、完了です。
3MIX法の流れ
前歯の場合…
1.ちょっと見ると浅い虫歯に見えても…
2.結構深く、まだ虫歯が残っている事があります。
3.神経を保護するため3MIXを貼り付けます。
4.セメントで隙間無く覆います。
5.ぴったりと詰め物をして終了です。
奥歯の場合…
1.一見すると虫歯は無いように見えても…
2.少し削ると中はぐちゃぐちゃという事があります(麻酔無しです)。
3.薬剤で洗浄・消毒後、3MIXを貼り付けます。
4.硬いセメントでふたをした状態です。後日、型を取り、詰め物をします。