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光殺菌治療とは
感染部分に光感受性物質を注入し、光を照射する事で殺菌する治療法です。 その装置も様々ですが、中でも当医院で使用しているYAGレーザーは、生体組織の水分に対する反応性(蒸散能力)が高く、発熱が少なく、表面の黒焦げや周囲の組織への影響がほとんど無いため、リスクの少ないレーザー装置と言われています。また、治療時には虫歯の部分だけを取り除く事ができるため、ほとんど痛みなく健全な部分を多く残す事ができます。
医科では早期がんの治療法として
医科では1990年ごろから光やレーザーを用いて、肺、食道、胃、子宮頸部などの早期がんに対して治療を行う光力学療法(PDT=Photo-Dynamic Therapy)という治療法があります。
歯科では殺菌治療法として
歯科では欧米を中心に、抗生物質を使わず体に負担が少ない治療法としてLAD治療が普及してきています。LADはLight Activated Disinfectionの略で、日本語では「光殺菌」と訳され、光感受性ジェルを細菌に浸透させて光で殺菌する治療法です。
このような治療に役立ちます
細菌が引き起こす病変の治療に使います。
その他、虫歯、歯冠周囲炎、アフタ、ヘルペス、扁平苔癬、真菌など
光殺菌治療の特徴
- 痛みはありません。
- あらゆる細菌に作用します。
- お薬(抗生物質)を使わないため耐性菌が発生しません。
- 副作用は無く、繰り返して治療に利用できます。
※ 光過敏症の患者さんには利用できません。
光殺菌治療の装置
当院は、早い段階から光殺菌(LAD)治療を手掛けてきたCMS dental社のFotoSan 630を使用しています。
治療に用いる光感受性ジェル FotoSanエージェント
FotoSan® 630
※ FotoSan630は新しい医療機器であり、日本ではまだ薬機法において承認されていない医療機器です。当院ではそのリスクとメリットを確認の上、歯科医師の裁量のもと治療に取り入れています。
製造過程
痛みの無い、体に優しい治療です。
1.感染源の除去
通常の治療を行います。根の中の掃除や、根の表面の歯石など感染源を除去します。
2.光感受性ジェルの注入
通常の治療を行います。根の中の掃除や、根の表面の歯石など感染源を除去します。
3.光殺菌
10~30秒光を照射する事で、光殺菌します。
4.洗浄
光感受性ジェルや死滅した細菌を洗い流します。
光殺菌治療の作用
- 光感受性ジェルが細菌の細胞壁や膜に取り込まれる。
- 特定の波長の光が照射されると、光感受性ジェルがエネルギーを受け取り「活性酸素」を大量に発生する。
- 「活性酸素」が細菌の細胞壁や膜だけを破壊し、殺菌する。
どのような場合に使用する?
とどめの一撃
通常の治療の上に光殺菌(LAD)治療を行うと、「とどめの一撃」としての殺菌作用が期待できます。これまでの治療方法では除去しきれない細菌を死滅させ、個人差はありますが感染の再発防止に大きく貢献します。
予防
加えて、光殺菌(LAD)治療は予防にも役立ちます。歯周病やインプラントの定期検診、矯正治療中のメンテナンスの際に予防的治療として光殺菌(LAD)治療がメリットをもたらします。
光殺菌治療の殺菌作用
殺菌作用は目に見えません。そこで簡単な実験を行いました。 唾液を薄め、滅菌棒で繁殖培地に擦り付け培養すると、たくさんの細菌の群れ(コロニー)が発生しました(左側)。 一方、同じ唾液に光感受性ジェルを注入し、光殺菌した後に培養すると、細菌群はほとんど見られませんでした(右側)。
論文一覧
臨床例
光殺菌治療Q&A
治療中、痛みはありませんか?
ありません。若干の熱と振動があるだけです。
光感受性ジェルはどんな味がしますか?
少し甘い味がします。